第191回 東北魂

「石割桜 (岩手地裁 元南部藩家老 北家屋敷跡)」
「石割桜 (岩手地裁 元南部藩家老 北家屋敷跡)」

あの日から2週間が過ぎました。

各地の甚大な被害はもちろん、福島原発は今朝の朝刊で「1979年に起きた米スリーマイル島の原発事故を超え、放射能事故の国際評価尺度で『レベル6』相当になった」と報じています。
連日の放射能漏れによる農作物や水の汚染、そして出荷自粛や風評被害なども相変わらず続いています。
先週「近い将来一緒に笑いましょう」と書いたものの、被害額は約16兆円、震災前の状態に復興するまでは世界銀行の予測で約5年かかると発表されたそうです。

レベル6・・・16兆円・・・5年・・・・・ 日々現実的にはじき出されつつある数字が、心に深々と積み重なり気分が滅入りがちになりますが、そんななか極限状態の中で頑張っている被災者の方々、東北の方々の強さに多くの人が励まされているという事実を見聞きします。

水中カメラマンで著名な中村征夫さんは、新聞のインタビューで
「東北の人たちの強さに打たれています。津波で家族と離ればなれになり、情報もない。雪が降る。それなのに取材に、ぼそぼそと「家族が見つからない」と答えるだけ。つらいだろうに、憤っている人を見たことがない。穏やかに励まし、耐えている。その姿に日本中、世界の人が逆に勇気づけられているんじゃないでしょうか。涙が出ます。 」
と書かれています。

また宮城出身の芸人「サンドイッチマン」の伊達さんも折れそうな自分の心にハッパをかける意味で「なめんな!東北魂」とスローガンを掲げ、東北の人々をブログで励まし続けています。
昨日から地震当日ロケで滞在した気仙沼市に入ったところ、被災者の皆さんがとにかく前向きで「気仙沼の復興は俺達が必ず成し遂げてやる!俺らがやらんで誰がやるんだ!」というような言葉をもらい「逆に励まされた」とつづっていました。

そして兄と私が大ファンの小説家 浅田次郎氏著「壬生義士伝」の主人公で、岩手南部藩出身の新撰組隊士 吉村貫一郎の言葉に「南部の桜は岩を割って咲く」というものがあります。樹齢360年の桜は写真のように岩手地裁前にその花を毎年咲かせています。
この貫一郎の言葉は、貧しさや寒さのなか、岩の隙間を縫って咲く「石割桜」に、芯の強い東北魂を映したものなのでしょう。

先も分からぬ不安の中、日々ひたすら静かに耐えながら頑張っている東北の人の強さ、「東北魂」は日本、世界にとってとても大きな影響を与えているし、これからも一つの指針になると思います。

その強さに感動しつつ「支援する側の我々が励まされてどうすんだ!」と自分にもハッパをかけて今日もいこうと思います。 がんばろう!

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